ワクワクはいらない~東洋医学的感情論~

東洋医学は感情を整えることも養生の秘訣として取り上げています。

たとえば、病気になる原因に「七情の乱れ」をあげます。

東洋医学では「過度な感情の動きは体によろしくない」と考えますが、様々有る感情の中で、見落としているものがあります。

それは、

「喜」も病因になる

東洋医学では

【七情(怒、喜、思、憂、悲、恐、驚)の乱れ】

が健康を害する要因の一つとして挙げられます。

この七情を今風にわかりやすく書くと

  • 怒→怒り過ぎ
  • 喜→ワクワク、満足感、達成感
  • 思→妄念、妄想
  • 憂→悩み
  • 悲→悲しみ
  • 恐→不安、恐怖、緊張
  • 驚→緊張、行き当たりばったり

こんなふうに置き換えられるでしょうか。

七情のなかの「喜」を見て

「え、喜ぶのっていいことじゃないの?」

と思いませんか?

私は最初に七情を見たとき、そう思いました。

また、貝原益軒が著した『養生訓』にこんな一説があります。

___ここから___

【気が減るのと塞がるのは害】

人に対して、喜びと楽しみとを目立って表すと、気が開きすぎて減ってしまいます。ひとり孤独にして、憂いと悲しみが多いと、気がむすぼれて塞がってしまいます。減るのと塞がるのは、元気の害になる。

___ここまで___

※むすぼれて、とは「むすぼれる=結ばれる」、つまり「締まる」ことを指します。

無感情、冷淡な人間になれというわけではありませんが

「七情」が「乱れる」と元気を減らすんですね。

乱れるとは、

「目立って」とか「多い」といった言葉に置き換えられますし、

「過ぎたるは及ばざるがごとし」

という格言が古くからあるとおりですね。

何事も、偏らず、バランスよくほどほどに、ということです。

「気が減るのと塞がるのは害」とは名言です。

  • 気が減る→エネルギー漏れ、変な所に使ってる
  • 気が塞がる→滞る、循環しない

これが養生を邪魔します。

ホルモンという切り口から

ワクワク、満足感、達成感のときにどんなホルモンが分泌されているか?

というと「ドーパミン」が上げられます。

このドーパミンは幸福感を感じさせるホルモンなので大切ですが

「副腎髄質ホルモン」という分類で、こやつは交感神経が支配します。

交感神経は、体を活動的な状態にする神経ですね。

でも、いつもいつもワクワクしてるのは、過剰です。

そして、いつワクワクしてるの?

っていったら「妄想してるとき」です。

これも【喜】×【思】の組み合わせでよりいっそう感情を乱します。

もちろん、

アイデアが湧いてきた!

いいことを思いついた!

ひらめいた!

そんなときはワクワクします。

注意するのは行動する前にワクワクしてることで、ワクワクしたら即!行動に移せるか?がカギとなります。

★「喜」とて、感情の一つでありワクワクしすぎる(過度になる、長期的になる)と『感情を乱す』ことになり、それに伴いエネルギーを消費し、疲労感も出ます。

妄想でワクワクしてエネルギーを消費して、行動を移せなくなってしまうんです。

もともと気力、体力といったエネルギーが低い人がワクワクしたら

✔︎MP少ないのに無駄に消費してゼロになって何も出来ない

✔︎ワクワクすると、燃え尽きる

✔︎燃え尽きるから継続できてない、パフォーマンスが不安定になる

✔︎いつの間にか消える

となるんですね^^;

こうならないためには、

ワクワクしたら、あとは落ち着いて、行動計画を立て、実現に向けてコツコツ作業していくフェーズに移ります

これを、本人だけでやるのか?

あるいはコツコツ、ルーティンでやるのが得意な人に協力してもらうのか?

によっても先が分岐してきますが、いずれにせよ徐々に落ち着いて地に足をつけるフェーズに移行していかなければなりません。

そして副腎髄質ホルモンの中のドーパミンだけが分泌される、

という器用なことはなく、「アドレナリン」「ノルアドレナリン」というホルモンも一緒に分泌されるのがポイント。

アドレナリンやノルアドレナリンの影響で

  • 血管収縮
  • 血圧上昇
  • 心拍数上昇
  • 血糖値上昇
  • 血液ドロドロ(アドレナリンは血小板に働きかける)
  • 活性酸素が出る

など、簡単に書くだけでも体にこんなことが起きます。

つまり、ワクワクしているときの、

胸がドキドキする!

パワーが出る!

という理由ですね。

ワクワクにはエネルギッシュな側面もありつつ、

体に負荷をかけたり、エネルギーを消費して体が疲れてしまう側面もあるんですね。

フェスやイベントでテンションMAXで大笑いして

ストレス解消!すっきり!と思っていても、

イベントの帰りにぐったり・・・

こんなこと、ありませんか?

「副腎髄質ホルモン」を刺激してしまうことから、それが過度・長期にわたれば(私はワクワク・ロングランと命名しました)

腎虚(西洋医学的表現だと、副腎疲労、そこから卵巣・子宮・精巣といった生殖器のトラブル」にいたってしまいます。

エネルギーという切り口から

まず物理的なエネルギーのお話ですよ。

エネルギーには

  • 比較的保存しやすいもの(電気エネルギー)
  • 保存しにくいもの(熱エネルギー)

があります。

科学や物理学の世界で、

運動エネルギーなどエネルギーを熱に変換すると回収しにくくなるのと同様に、私達も心のエネルギーを「熱」にはあまり変換しないほうがいいです。

心の熱というのは、例えば

  • 感情
  • やる気
  • モチベーション
  • テンション
  • 火事場の馬鹿力

こういうものです。

これらにエネルギーを使い過ぎることは、

「熱にする=エネルギーが漏れやすいものに変換する」

ということなので、

すぐにエネルギーが枯渇しちゃいます。

養生のコツは「元気を惜しむ」

惜しむとは「ケチる」というより

「静かに過ごす」「穏やかに過ごす」

というニュアンスです。

というわけで、エネルギーを減らさず、かといって滞らせず循環させる。

これが健康のコツでもあるし、

モノゴトをやりぬく気力を養うコツでもあります。

ということで、

ワクワク不要の立場である東洋医学。

私も、個人的見解になりますが、ワクワク×妄想しても時間の無駄でオススメしません。

日々、穏やかに、整った状態で平素を過ごし、気を漏らすのを惜しんで温存し、ここぞというときに使う。

そんな長期的な視野で生きることをオススメしますので、ワクワク・ロングランな方はとくに注意してみてくださいまし~。