子どもを望む患者さんの大半が、子どもが生まれたら楽しいだろうな~と想像するでしょう。
あるいは、お子さんがいるほかのご家庭を見て幸せそうだな~と思うでしょう。
が、実はそうでもない・かえって満足度が低下するという実態が浮き彫りになった調査(!)があります。
敵を知れば百戦危うからず!
ということで、夫婦仲を充実させたい方も、悩んでいる方も、どちらの方も必見ですよ。
子どもが生まれたら幸せとは限らない
RIETI(独立行政法人経済産業研究所)の客員研究員山口一男氏が夫婦満足度の調査をおこなっています(⇒発表のPDF版)。夫婦関係満足度とワーク・ライフ・バランス:少子化対策の欠かせない視点 に発表の概要がまとめてあります。
調査研究では、
複数時点の追跡データがとれる有配偶女性1117人を対象に統計分析を行い、その結果、夫婦関係の満足度に重要な影響を及ぼすものは、ワーク・ライフ・バランスの特徴である「重点共有生活活動(前述の5つの活動 ※)」、平日の夫婦の会話時間、夫の育児負担割合などであり、一方マイナスの影響を及ぼすものは「結婚継続年数」「第一子の出生」「夫の失業」などであったと報告した。
※雇用者と専業主婦に共通して、妻が夫と過ごす大切な時間の中で結婚満足度に影響を与える生活活動は、休日の「くつろぎ」、「家事・育児」、「趣味娯楽・スポーツ」、平日の「食事」、「くつろぎ」の合計5つの活動
結婚幸福度を上げる要因として「家事・育児」という項目もある通り、お子さんがいることで幸福度が高まる一方、第一子出生により幸福度が下がってしまいます。
第一子出生で幸福度が下がるのはなぜか?
第一子を産むことで夫婦満足度が下がる原因として、山口氏は
・妻が子どものいない家庭生活から子どものいる家庭生活への移行に適応できず、それが大きなストレスを生み出していることは間違いがない。核家族社会で夫が帰宅時間が極めて遅い日常生活の中で、妻がたった1人で未経験の子育てに向かうことの精神的負担は極めて大きいとみるべきである。
と論じています。
改善案
・まずは男性の育児休業を促進し、育児期の父親の帰宅時間を早め、特に1子目の出生時に夫が十分育児分担し、他の主要生活活動も夫婦で共有できることが大切である。それとともにコ ミュニティーの育児支援が初めて育児経験をする女性 (有業の 妻も専業主婦も)を主たる受益者ととして計画されることが重要と考えられる。
また、
妻の出生意欲を増すものは「夫婦関係満足度」と「夫への信頼度」
が影響しますが、
夫への信頼度には「心の支え」が「経済力」の3倍重要
とのこと。
つまり、夫に経済力があっても、妻の心の支えにならなかったり育児負担がかかることで結婚満足度の低下につながります。
また、本研究によると「第二子の出産意欲の低下」につながるのです。
「子どもが生まれ“たら“幸せ」ではなく「子どもが生まれ“ても“幸せ」
逆にこどもがいることが幸福度の上昇要因とする調査もあるのです。
え? どっちなの(・д・)?
また、海外を見ても先進国は「子どもがいない方が幸せ」と半数が回答するといったお話もあります。
半数は子どもが居て幸せなのです。
つまり、子どもが居て幸せか否か?は調査すると意見が二分しているということです。
というのも、何をもって幸せだとか満足だとするか、定義は人それぞれによるので意見がわかれてしまいます。
ご主人と不仲でも、可愛い子どもさえいればあなたは幸せかもしれないし、そうでないかもしれません。
アラサー妊活「愛しいダーリンの子どもが欲しい♡」
アラフォー妊活「旦那はいらない。子どもは欲しい」
#妊活#不妊治療
— 原口 ひろみ (@harahiro0501) August 17, 2016
第一子出生後に夫婦関係満足度が大きく下がる事実から理想の夫婦のあり方を紐解く
旦那さんとお話できていますか?
くつろぎの時間が確保できていますか?
趣味がありますか?
満足の行く食事を摂っていますか?
「今」が充実していますか?
子どもが出来れば幸せになるとは限らない。
夫婦2人の生活にも既に幸せを感じられるヒトは
「子どもが生まれても幸せ」なのでしょう。
「妊娠する前と、妊娠してからと、何も変わらないよ(・∀・)? 」
とは、自然妊娠した妊婦さんからいただいたお言葉。
最後に
不妊症でうつっぽくなる人と、心が元気な人との違いは?でレジリエンスについて取り上げました。
変化を受け入れられず、感情が乱れやすく、ネガティブな人は抑うつ感を感じやすいということです。
妊娠・出産を経て女性のライフステージは激変するため、不妊治療で抑うつ状態に陥る方は、念願叶って妊娠しても、マタニティーブルー、産後うつ、育児ノイローゼなど経験するリスクも高いと言えるでしょう。
と書きましたが、これは妻側の性格要因です。
こちらのお話と合わせると、
稼ぎがよくても夫の帰宅時間が遅くて、家事(・育児)に非協力的、くつろぎの時間がなくて、無趣味で、レジリエンスが低いヒトが!
「子どもが生まれたら楽しい生活が待っているだろうな♪」と考えていたら、
それは幻想ですよ(・д・)!!
ということを重ねてお伝えしたい。
そういう方がなかなか授からない、と鍼灸治療を受けに来ます。
「今のままうまくいく」で妊娠しても良いですけど、私がやりたいことって、ただ鍼を体に刺したいわけじゃないのよ。
妊娠という結果が出ても、その後、
幸せになる人と、ならない人と、違いがあるな!
ということに経験的に気づいています。
鍼というツールを使って、幸せなヒトを増やすことに貢献したいな~と思っています。
だからこそ、「ちょっと待って、少し冷静になろうね?」って突っ込みたくなる人がいたりします。
心の冷えは、体の冷え
— 原口 ひろみ (@harahiro0501) August 21, 2016
というわけで、妊娠してない今、見てみぬ振りせず、夫婦関係をHOTにしておきましょうね。
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